パパとのふれあい

女性は自身のお腹の中に新しい生命が宿った時から「母親の意識」を持ち初めますが、男性は、妻から妊娠を告げられて大喜びをしても、なかなか「父親の意識(自覚)」が持てないかもしれません。ようやく父親としての真の意識を持てるのは、 がんばって生まれて来てくれたわが子に対面した時ではないでしょうか。
母親が、赤ちゃんにお乳を飲ませたり、優しい笑顔で抱っこをしてあやしたりしている姿を見て、はじめて父親となった不思議な感情の中で何をすればよいのか、自分の出る幕がないような心境になることもあるかもしれませんね。でも実際には、赤ちゃんとのお付き合いは、すでに始まっています。
母親の抱き方は柔らかく暖かく、赤ちゃんの感覚にピッタリしています。 それに比べて父親の抱き方はゴツゴツしていて、ぎこちなく不器用です。それでも赤ちゃんに頬ずりしたり、 話しかけたり、抱いて外へ連れ出したりしてあげてください。 抱いてジッとしているだけではなく、大きく動いて空間を体験させてあげてください。 お父さんの太くてたくましい腕に抱かれて、動きを体で感じることは、 環境の広さや高さをつかみ平行感覚を発達させ、自分で活動する感覚の第一歩となります。 父親がこだわらずに入浴やおむつの交換ができれば、妻の労力軽減にもなり、ふれあいの機会はグッと多くなるでしょう。そして、赤ちゃんとの信頼関係だけではなく、休みなく育児や家事をこなしている妻の信頼と安心感も得られるのではないでしょうか。産後、母親が不安感に押しつぶされそうになってしまうこともあります。いてくれてるだけで安心することもあります。支えてあげることができるのも、父親ですね。
赤ちゃんとの暖かいふれあいを、大切だと思いながらも、 一方では「甘やかしてはたいへん」と不安になっている人も少なくありませんが、 0歳の赤ちゃんに「甘やかし」などないのです。とことん可愛がって、 信頼に満ちた関係をつくって頂きたいと願います。